外資系金融は基本的激務な職場ですが、その中でも群を抜いて激務な部門が投資銀行部門(IBD)です。
世界有数のエリートたちが朝早くから深夜まで頭脳をフル回転させて猛烈に働く。
睡眠時間が足りなくてフラフラになりながらも、上司やクライアントのため、ストイックに資料作成に没頭する。
それはまるで、大学の卒業論文を書きながらマラソン大会の練習をするようなもの。
そんな風に誰かがそう例えていた記憶があるのですが、まさにそれが投資銀行部門。
外資系金融業界で働きたいだけではなく、外資系金融業界で働いている人も、投資銀行部門に対してはどこか尊敬の念に似た気持ちを持つのではないでしょうか。
私も投資銀行部門を目指したことがあります
実は、私もMBA留学中は投資銀行部門で働こうと鼻息を荒く転職活動をしていたこともあります。
投資銀行部門で働けば圧倒的な給料を手に入れることが出来るからです。
投資銀行部門は新卒が初年度から年収500~600万円を稼げることができる職種です。
順調にキャリアを積んでいけば、成果報酬やボーナスなどを合わせて年収2,000万から3,000万円も十分可能。
そのレベルになると、それなりの規模の企業の社長がもらうような金額です。
貧乏学生生活を送っているMBA留学生にとって魅力的に映らないはずがありません。
仕事の意義や意味よりも、むしろ単純に高収入。
不謹慎かもしれませんが、投資銀行部門は「稼げる職種である」というところに魅力を感じていたということです。
稼ぎたい。
そしていい暮らしをしたい。
そんな自分の純粋な欲望を叶えてくれる仕事こそが投資銀行部門だと思っていました。
投資銀行部門は自分が目指すべき場所ではなかった
残念ながら、私はこれまでの外資系金融業界のキャリアにおいて、投資銀行部門で働く機会に恵まれることはありませんでした。
投資銀行部門は非常に狭き門であるというのもありますが、単純に自分の実力がそこまでなかったということだと理解しています。
ご存知の通り、投資銀行部門は世界のエリートがしのぎを削って働いている部門になります。
そんなエリートが毎日ヘロヘロになりながら、まさに命を削って働いている場所です。
そんな戦場と言っても過言ではない場所で、果たして自分は最高のパフォーマンスを発揮できたのだろうか?
そこで幸せを感じることができただろうか?
自分よりもはるかに優れた学歴と経歴を持っている人たちでも苦しんでいるような場所で、果たして自分はやっていけるのだろうか?
冷静に考えると、
「自分が目指すべき場所はそこではなかった」
そんな風にも思えてくるのです。
投資銀行部門の勤務時間
投資銀行部門の勤務時間ですが、自分の周りの情報を集めてみたところ、勤務時間は朝の9時から次の日の午前3時くらいのようです。
早い時で0時か1時に帰宅だそうな。
そんな睡眠時間で足りるのか?と心配になりますが、単純に計算して投資銀行部門の人は普通の人の2倍働いているということになります。
投資銀行部門で働くと成長のスピードが圧倒的に速い、と言われているますが、そもそも他の人が寝ている時間も働いているわけですから嫌でも成長する環境にいるということです。
さて、繰り返しになりますが
果たして自分はそのような環境で幸せを感じることが出来るのだろうか?
そこが投資銀行部門で働くうえで一番の問題ですし、一番大切にすべき「自分への問い」です。
投資銀行部門のようなタフな環境で頑張ることにより、その対価として人よりも多くの給料をもらうことができ、いい暮らしを実現させることが可能となる。
キャリアもそうです。
投資銀行部門で働いた、という経歴は自分の市場価値と信頼性を圧倒的に高めます。
これ以上ない経歴なのです。
でも、
そこで働く自分は幸せなのか?
その延長線上には人生のゴールがあるのか?
自分の心にきちんと耳を傾けてあげる必要はあると思います。
まとめ
人間が生きていく上でお金というのは絶対に必要な道具です。
お金が無くても幸せ…という綺麗ごとは言うつもりはありません。
お金がなければ生きていけませんし、大切な人や家族を守ることが出来ません。
当然です。
また、お金は持っている金額が大きければ大きいほど人生の可能性は広がり、より豊かな生活を送ることが出来ます。
日々の不安や辛さ、そういったものから無縁の生活を送ることも可能になるでしょう。
投資銀行部門で働くということは、その道具であるお金を圧倒的に稼ぐ手段になります。
まさに「豊かな生活を手に入れる」ためのアグレッシブな狩猟といったところでしょうか。
その一方で、投資銀行部門だけではなく、外資系金融で働く人が必ず頭の中にいれておかなければいけないことがあります。
それはQOL(Quality of Life)です。
外資系金融の職場は激務です。
時にはプライベートを犠牲にし、仕事にコミットをすることも要求される厳しい環境です。
その中を全力で走り続け、自分を奮い立たせる。
そのためには、今自分が人生のゴールに一歩一歩近づいているという実感。
これが無ければくじけてしまうことがあります。
自分を前に歩かせることが出来なくなるのです。
人生にはゴールがあります。
人それぞれゴールは違いますが、それに向かって毎日を生きること。
それこそが「幸せを探すこと」であり、「幸せ」そのものなのだと私は思います。
さて、
あなたにとって投資銀行部門で働くことは、人生のゴールに向かうための一歩なのでしょうか?
幸せを感じることが出来る場所になるのでしょうか?
このような問いにブレることなく答えを出せる自分を持つ。
厳しい外資系金融業界で生きるために大切なことです。
今一度、自分に問いかけてみるといいかもしれませんね。
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